穏やかに晴れ渡った空も高く空気も澄みわたり、時折吹く冷たい風に冬の気配を感じる頃、暦の上では立冬でございます。 この季節を表す言葉で「山茶始開」{つばき(さざんか)はじめてひらく}と言われますが、艶やかな葉の中に顔を出し、今か今かと出番を待つかのごとく膨らんだ蕾がようやく花開いてくれました。 18世紀にはヨーロッパにも伝えられた花、今年最初の白玉椿が一瞬のうちにお席の表情を変え、これから来る冬への案内をしてくれているかのようです。